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クレアボヤンス
純度が視える? この視神経がとらえる唯一の価値 それは限りなく透明な糸 それは温度のない液体 触れられない輪郭の向こうがわへ 手を伸ばして、水面に指先を遊ばせる 白昼夢のような不定形のあなたと、不定形なままに追いかけっこ…
純度が視える? この視神経がとらえる唯一の価値 それは限りなく透明な糸 それは温度のない液体 触れられない輪郭の向こうがわへ 手を伸ばして、水面に指先を遊ばせる 白昼夢のような不定形のあなたと、不定形なままに追いかけっこ…
潜る 息を止めて、しかし苦しくはない なまぬるい水温に、脳天まで浸す 完成された孤独 侵害できぬ場所 私と私の逢瀬を邪魔するものはいないはずであった ほかならぬあなたの声が、背後からそっと触れた 嫌、 というわけではなか…
喉笛をさらす 中指、人さし指、小指に、たくさん。 それから最後に親指、 静寂と安寧。視線がまじわる。 ここちよい権利の放棄。 かたすみの罪悪感。 概念伝達的コミュニケーション。 視界がほどけていく 肢体が溶けだしている …
たったひとつ、 あなたとふたり並ぶ時 この世に立っていられるの あなたの指がふちをなぞる時 この身の汚穢をゆるせるの ゆがんだ体が しずかな声が 怒りが 嘆きが 怨嗟が きらきらと輝いて、残さず集めておきたくて ひしゃげ…