不変(かわらず)

潜る
息を止めて、しかし苦しくはない
なまぬるい水温に、脳天まで浸す
完成された孤独 侵害できぬ場所

私と私の逢瀬を邪魔するものはいないはずであった
ほかならぬあなたの声が、背後からそっと触れた
嫌、
というわけではなかった

懐かしい音に身を委ねる資格があるだろうか
手を引かれるまま ともに踏み出して良いのか
躊躇う私をよそに あなたは観測をつづける

私が確定してゆく
私は不可逆となる

希釈されてゆく意識の中で独り言つ
願わくば、観測(あなた)を受け入れる勇気と
しなやかな不変の孤独(わたし)をいつまでも
どうか。er

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